薬剤師が教える「紅茶」のチカラ

~効能・カフェイン・健康効果まで専門的に解説~

紅茶は、世界中で愛されている発酵茶の一種です。ただの嗜好品と思われがちですが、実はその成分には健康を支える働きも多く含まれています。ここでは薬剤師の視点から、紅茶の「効能」「カフェイン」「飲み方の注意点」などを分かりやすく解説します。

1. 紅茶の主な成分と効能

紅茶に含まれる代表的な成分は以下の通りです。

● テアフラビン・テアルビジン(ポリフェノールの一種)

  • 抗酸化作用があり、老化や生活習慣病の予防に寄与。

  • 抗菌作用もあり、口腔内の雑菌を抑える働き(口臭予防にも◎)。

● カフェイン

  • 中枢神経を刺激し、眠気を覚ます・集中力を高める。

  • 交感神経を活性化し、代謝アップにもつながる。

● L-テアニン(アミノ酸)

  • リラックス効果あり。紅茶の香りにも関与。

  • カフェインの刺激を緩和する働きもあり、紅茶が「穏やかな覚醒感」をもたらす理由。

2. 紅茶のカフェイン量はどれくらい?

紅茶はカフェインを含みますが、コーヒーよりは少なめです。

飲料 カフェイン量(100mlあたり)
コーヒー 約60mg
紅茶 約30mg
煎茶(緑茶) 約20mg
ほうじ茶 約20mg
ウーロン茶 約20~30mg

※茶葉の種類や抽出時間によって変動あり。

紅茶1杯(150ml程度)なら、約45mg前後のカフェインが含まれます。妊婦さんやカフェインに敏感な方は1日2~3杯までを目安にすると安心です。

3. 紅茶がもたらす健康効果

● 風邪予防・免疫力アップ

紅茶ポリフェノールには抗ウイルス作用があり、風邪やインフルエンザ予防に役立つとされています。

● 血糖値上昇の抑制

食事中に紅茶を飲むことで、糖の吸収が緩やかになるという報告もあります。食後の一杯におすすめです。

● 美肌・アンチエイジング

抗酸化作用により、紫外線やストレスによる肌ダメージを軽減する効果が期待されます。

4. 飲み方の注意点

  • 空腹時は避けるのがベター:カフェインで胃が荒れることがあります。

  • 鉄分の吸収を妨げる:食事と一緒に摂る場合は注意。貧血のある方はタイミングをずらしましょう。

  • 寝る前は避ける:就寝前のカフェインは睡眠の質を下げることがあります。

5. ミルクティーはアリ?ナシ?

ポリフェノールはミルクと結合して吸収が悪くなると言われることもありますが、すべてが無効になるわけではありません。

ミルクティーでも適度なポリフェノールは体内に取り込まれますし、何より美味しくリラックスできることが大事です。

まとめ

紅茶は、香りや味を楽しむだけでなく、健康維持にも役立つ飲み物です。成分を理解して、ライフスタイルに合わせた飲み方をすることで、その魅力をより引き出すことができます。

薬剤師としては、日々のセルフケアに「紅茶を味方につける」ことをおすすめします。リラックスしながら、ちょっとだけ健康意識もプラスしてみませんか?

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